マリア・シュナイダーは大学で作曲と音楽理論を学んだあと、ギル・エヴァンスやボブ・ブルックマイヤーに師事し、1993年、自身の名前を冠した「マリア・シュナイダー・オーケストラ」を結成。緻密で洗練された作曲語法と清新なサウンドは、ジャズ・オーケストラシーンに「マリア・シュナイダー以前／以後」と称されるほどのセンセーションを巻き起こしました。以降、世界的なソプラノ歌手ドーン・アップショウや、伝説的ミュージシャンであるデヴィッド・ボウイから共同制作の申し出を受けるなどジャンルを超えた活躍を展開し、グラミー賞をはじめ多数の音楽賞を受賞。ジャズ・オーケストラの現在形、いわゆるラージ・アンサンブルの第一人者として現在も幅広い活躍で知られています。

2部構成でお送りする今回、前半は、国内で新星として注目されている池本茂貴主宰のラージ・アンサンブル「池本茂貴 isles（アイルス）」が、シュナイダー自身の指揮でマリア・シュナイダー・オーケストラの主要作を演奏。後半は実力・人気ともにトップクラスのソプラノ歌手・森谷真理を迎え、今回のための特別編成チェンバー・オーケストラとともに大作《Carlos Drummond de Andrade Stories》を日本初演します。この作品はソプラノ歌手ドーン・アップショウとの共同制作から生まれ、同作収録のCDアルバム『Winter Morning Walks』(2013年）はグラミー賞2部門を受賞するなど高い評価を受けました。さらに、挾間が今回のためにシュナイダーの作品をチェンバー・オーケストラ編成にオーケストレーション。ジャズファンだけでなくクラシックファンや初めてコンサートホールを訪れる方にも、忘れられない一夜となるでしょう。